トラノアナ 2010/3/12

 ADAの研修に行って来た、詳しい内容はあとでツアーの方に書こうと思うので、ここではこのコラムらしく自己中心的な話を書かせてもらう。22人集まったこの世界の人たちの中で共感できる部分、そして共感できない分をたくさん見させてもらった、己の仕事に対するプライド、誇り、それらには共感どころか感服してしまった、自分と同じ歳の人も何人かいたけど、仕事に対する姿勢は全員俺以上の意気込みを持っていた。
それに対し、製品に対する姿勢に関しては「金の実る木」的な解釈が気になってしまった、特に「アマノだから売れる」という言葉に対しては研修の中盤ぐらいにはもう拒絶反応がでていた。どんな物だろうとステンレスやガラスにしてADAのロゴを付ければ売れるという意味らしいのだが、今でこそアマノなら売れる世界になったけど、それまでに一つの製品を作るのに、何ヶ月いや何年もの時間をかけて慎重に作り上げ、そうやって良い物を市場に提供して信頼を得てきたからこそ今のような結果が出ているのに、それを最後の美味しい所だけを利用して商売をしようとする姿勢に失望してしまった、どんなスタイルで物を売ろうがそれは個人の自由だが、そこで商品を買ったユーザーがあまりにも可哀想だ。
 ユーザーの方はあまり知らないだろうけど、ADA商品は卸業者ではなくメーカーから直接送られてくる、その梱包方法は他のどのメーカーよりもずば抜けて丁寧なのだ、これは私の予想でもあるけれどこれらの商品の梱包をしているのはほとんどが「パートのおばちゃん」的な人たちだと思う、でもその箱詰めされた商品を見るとそんな経営とは直接関係のない人たちにでさえ、アクアデザインアマノの誇りと受け取る側への思いやりが感じられる、たしかに方針の厳しい会社だから丁寧さに関しては指導もあるのだろうけど。
今回の研修で一番印象に残ったのは一つの水景を作るのに何人もの人たちが関わっているということ、もちろん主要な作業は天野氏が行うのだが、水槽や道具の準備から始まり草の仕分け、水張り、そして植裁後の管理、ここでは書ききれないたくさんの事をたくさんのスタッフ達がサポートしているということ、「作:天野尚」とは書かれているが、スタッフの方たちももっと胸を張って主張していいと思うし、できればその名前も作品の横に添えていただきたい。
 生きてゆくだけなら1人でも可能だと思うけど、写真にしろ、アクアリウムにしろこれだけ世界中の人を感動させるのには1人のカリスマ(もはやカリスマという言葉自体がカリスマじゃないけど)と大勢の協力者があってなし得ることなのだ、セブンスは今創業以来の大がかりな改装を行っている、什器の老朽化で仕方がないという事情もあるけど、せっかくなのでついでにやってみたいことがあった。セブンスは創業時にお世話になっていた同業者の先輩が手がけてくれた設計で、初めての自営業でつまずかないように、自分が下積みを行っていた店舗と似たような仕組みにしてもらっていた、その後10年以上続けさせてもらい、自分なりの方針も見えてきたので今度は100%自分の考案で作ってみようと思った、もう自分の作ったシステムなのだからどんな事が起きようが、経営につまずこうが今度は100%自己責任、もう誰にも文句は言えない、ここが本当のスタートラインなのかもしれない。
この改装に関してはもちろん予算面の事もあるので、どんなに時間がかかろうとも解体から全て1人で行おうと思っていた、でも作業を初めてから近所の方が工具を貸してくれたり、鉄工所を営んでいるお客さんが素材を提供してくれたり、不要な棚を引き取ってくれたり、たくさんの人が協力してくれている、そして全ての人が完成に期待してくれている、作業を初めて3ヶ月…made of customer'sのセブンスがもうすぐ完成する!